第1章 前編 時の彼女と死の外科医
~トキトキの能力の使い方~
・ワープ
瞬間移動ができる。距離は能力者の体力に比例し、触ってるものも一緒に移動できる。
・タイム
触れたものの時を止める、早くする、遅くする、時間制限はない。
・ブラックホール
触れたものを……
「っは!もう彼が来るわ!あなたがもたもたするから時間なくなったじゃない!仕方ないから続きはまた今度見せるわ!」
ゴボボボ!
(え!?今なんかめっちゃ強そうな能力読んでる途中だったんだけど!?てか今更だけどここってもしかして…)
ユーリは何か言いたげに口を開くが、妖精はさっさと紙をしまい込み挨拶もせず消えていった。
そしてそれと同時に目の前に一筋の光が入り、巨大な扉が開いいく。
ユーリは急に辺りが明るくなり、眩しさで目を閉じた。
目を閉じる瞬間に、SADの文字が見えたような気がして動揺を隠せなかった。
(嘘だ、まさか、こんなことが起こるわけ……)
扉が開く音が止み、再び辺りに静寂が戻った。
そして恐る恐る目を開けると、扉の中心には、あのトラファルガー・ローが立っていたのだ。