第4章 番外編
「今日はリンは何するの?」
ユーリは目の前の卵焼きをじっと見つめているリンに苦笑すると、食べさせてあげながら今日の予定を聞いた。
「今日はレンと一緒に冒険するの!」
モグモグと卵焼きを頬張りながらリンは答えた。
「おぉーそうなの?」
「いや聞いてねぇよ」
突然決まった予定にレンは頭を抱えた。
リンと一緒に出掛けるのは別にいいのだが、何がしたいのか分からない冒険は気乗りがしない。
過去数回に渡って行われた冒険により、彼は色々と振り回されていたのだ。
因みにユーリとローが付けていたネックレスは、それぞれ娘と息子に渡された。
子供用のチェーンに付け替えて渡されたそれを、最初2人は興味深そうに見ていた。
そしてそのネックレスの詳細を聞いて少し引き、危険な時に本当に父も母もそれぞれ駆けつけて来たもんだから、本格的に引いていた。おもにレンが。
「お弁当とおやつ持って行かなきゃ!」
「そうだねぇ、これ食べたらお母さんが二人分用意してあげるよ」
レンがどう断ろうか考えていると、何時の間にか断れない雰囲気になっていた。
そしておやつにフランスパンを持っていこうとしているリンに、それは止めろとレンは拒否を示した。
バックからあんなでかいフランスパンが突き出ているなど、恥ずかしくて隣を歩けたもんじゃない。
そしておやつがフランスパンからチーズ蒸しパンに変わったところで、レンは断るのを諦めてリンに付き合うことにしたのだった。