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時の恋人【ONE PIECE】

第3章 後編 愛する彼女と死の外科医





「ぐあぁぁぁ!?」

ローはその男を斬り捨てた。

身体を切り刻まれた男は地面でのたうち回っている。

そして叫んでいる男には目もくれず、ユーリの元へ向かった。


周りの者は斬られた男を助けに向かう者もいたが、ほどんどが息を呑んでその様子を伺っていた。



「……ユーリ」


ローは彼女の目の前に立つと、静かに呼びかけた。

彼女の瞳はローを捕らえているが、攻撃をして来ない。



ローはまさか彼女が正気に戻ったのかと思い、ユーリに触れようとした。
















「生きてたんだ?」




ローがユーリの頬に触れようとした瞬間、そんな言葉が聞こえて来た。


ローは動きを止めて、ユーリを見つめる。


お互い見つめ合う事数秒、ユーリが先に動き出した。




「……っ!!」


ユーリが振り下ろした刃はローの首元を狙っていたが、ローは咄嗟に飛びのいてそれを避けた。

刃が頬をかすめて、僅かに血が流れる。


「止めろ!これ以上ユーリを傷つけるな!」



ローの声が辺りに響き渡る中、二つの刀がぶつかりあい、激しく火花を散らした。

ユーリの動きには一切の無駄はなく、力もローより強かった。

しかしローも負けてないない。

彼女を傷つけることなく、かつ、己が重傷を負わないように攻撃を誘導していた。


そして二人の激しい戦闘が始まると、周りにいた海軍は、皆逃げていった。





「ユーリ!おれの言葉が聞こえるか!?」

ローは刀を交えながらユーリに問いかけ、彼女の反応を見ていた。

ユーリはその言葉に不気味な笑みを浮かべていた。


ローの身体には幾つもの傷が刻まれている。

ユーリの攻撃を誘導はしているが、全てを避けきれるわけではない。


「……っ!」


案の定、懐に潜り込んできた彼女の攻撃を避けきれず、ローは後方の瓦礫の山に弾き飛ばされた。





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