第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
近隣諸国との会議が終ると直ぐに、ローは今後の対応に追われていた。
まずギルベルトが早々に兵力を貸してくれたので、彼らの扱いを考えなければならなかった。
またラミアも支援物資を送るには時間がはかかると言っていたが、2、3日でフレバンスに大量の物資を送りつけてきた。
ローも適当に援助してくれと言ったので文句は言えないが、両国ともいきなり色々と送り付けて来たので、正直扱いに困っていた。
でも流石は一船の船長だっただけあって、数日後にはどのような方向性で持っていくか考えがまとまっていた。
テキパキと指示をだす彼の姿は、まさにフレバンスの国王として相応しいだろう。
だけどその代わり、ユーリと過ごす時間がほぼ失われていた。
政府との交渉の仕方も考えなければならないので、ローが家に帰る時間が減ってしまったのだ。
ローは今だけの辛抱だと思い頑張っていたが、正直早く終わらせてユーリと元へ帰りたかった。
彼女を一人にさせておくことが、非常に心配だったのだ。
ネックレスが反応しない限り大丈夫なのだろうが、それでも彼の心は落ち着かなかった。