第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
「久しぶりだな、ユーリ。まさかフレバンスに住んでたとは思わなかったぜ」
ローがラミアをけん制してると、次はシュライヤがちょっかい出してきた。
「私も驚きました。しかも国王の代理人とは……」
「ははっ、そんなガラじゃねぇからな。似合わねぇだろ?」
「いえいえ、寧ろシュライヤはしっかりしていますし、何だかんだで適任だと思いますよ」
「そうか?ユーリにそう言って貰えるなら、代理人という立場も悪くねぇな」
「……おい、雑談しに来たんじゃねぇぞ。さっさと始めろ」
二人が仲良く会話している姿を見てローが額に青筋を立てると、今回会議を開くと言い出した張本人を睨んだ。
「まぁまぁいいじゃないか。それよりユーリは何か困ったことはないか?何かあればいつでも頼ってきてくれ。君は特別だからね」
「…てめぇ」
会議を始めるどころかしっかりユーリにアピールするギルベルトに、ローの怒りメーターは急激に上昇していった
席について5分も経っていないのにこの有様である。
そんな異様な空気を、フレバンスの従者達は怯えた表情で離れた場所から見ていた。
「ありがとうございます。と、取り合えず会議というものを始めませんか?」
隣から流れてくる不機嫌オーラを感じたのか、珍しくユーリが空気を読んだ。
そしてユーリのその言葉に、それもそうかと素直に会議を始める王達もどうかと思うが。
完全に力関係が
ユーリ>ギルベルト>ロー=ラミア>シュライヤである。
ローはそんな彼らを見ると、そっとため息を吐いたのだった。