第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
フレバンスが再建してから6カ月が経った。
それぞれの王は漸く都合がついたので、フレバンスで第一回目の会議を開くことにした。
ユーリはその場に呼ばれたことに驚いていたが、集まったメンバーにもっと驚いていた。
ローはどうせ後でバレるなら先に教えておこうと思い、ユーリに詳細を話すことにした。
それを分かったような分かっていないような表情でユーリは聞いていた。
ローはそんなユーリに苦笑すると、取り合えず会議中はこれに落書きでもしてろと議事録を渡した。
ユーリを極力彼らに関わらせる気はなかった。
そして2人は王宮へ出向いた。
ユーリは王宮に来るのは初めてなので、興味深そうに周りを見ていた。
そんな彼女についているローは、自国の王宮内なのに辺りを警戒していた。
そして二人の様子を見ていた従者たちは、今回の会議にはあまり関わりたくないと思いながら、彼らの後をついて行ったのだった。
王宮の中でも一際大きな部屋で、会議は行われた。
ローとユーリが到着すると、すでに他国のメンバーは揃っていた。
今回集まったメンバーは
ロー(フレバンス国王)
ギルベルト(アスガルド国王)
ラミア(リニエル王女)
シュライヤ(バルカス国王の代理人、ただし仮病の可能性あり)
ユーリ(記録係)
最早完全に身内の集まりである。これでは一国の王の会議と言うより、海賊としての集まりの方がしっくりきそうだ。
そして集まったメンバーの顔触れに、ユーリは興味津々だった。
円形のテーブルを5人で囲んで座っているのだが、当然ユーリはローのすぐ隣に座らされた。
「やだー!やっぱり私好みじゃない!!お菓子あげるから隣おいでよ!」
「え、まじっすか?行きます!」
「行くんじゃねぇよ、ばか」
席に着くとさっそくユーリに毒牙がかかりそうだったので、ローはそのフラグをへし折った。
ユーリの首根っこを掴むと、ローはラミアを睨んだ。