第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
そして暫く皆で今後の方針を考えていると、ローが戻ってきた。
「早!?まだ10分くらいしか経ってないよね!?」
ローの早すぎる対応にユーリはもちろん彼らも驚いていた。
どうらや雑魚だったらしいが、いくらなんでも早すぎじゃないだろうか。
「こいつに余計なこと言ってねぇだろうな」
ローは再びユーリを彼らから引き剥がすと睨みつけた。
その様子に慌てたように頷いてる彼らを見て、ユーリは首を傾げていた。
どうやらローが早かった一番の理由はユーリが心配だったからのようだ。
ローは何かユーリと話をしているようだが、そんな2人を見てユーリという人物がローにとって重要人物だと彼らは察した。
よって彼女の扱いには気をつけることが、彼らの暗黙の了解となる日もそう遠くはなかった。
「本当にありがとうございました。極力2人には迷惑をかけないようにしますので、これからよろしくお願いします」
そう言って支援の人達は帰っていった。
本当はこの国の今後のことを話すべきなのだろうが、ローが好きにしろと言って強制終了させた。
なんとも彼らしいといえば彼らしいのだか。
「わー目の前に国王様がいるー」
そしてユーリが何やらふざけたことを言ってきたので両頬を引っ張ってやった。
痛がってるがそんなことは知ったことではない。
一番避けたかった事態に巻き込んできた張本人を前に、ローはため息を吐いた。
なんだかんだでユーリに振り回されるのが日常になり、それを容認してるのがなんとも解せない。
「ほら、飯食いに行くぞ」
ローはユーリを解放してやると、これ以上考えても仕方ないので通常通りに戻ることにした。
どうせ彼らが勝手にやってくれるだろう。
どうしても必要な時に手を貸せばいい。
ローはそう思うことにしたのだった。
そして月日は流れる
ローがこの国のトップに立ち、攻め込んできた海賊を瞬殺することを繰り返してるうちに、彼の存在はすぐに認められていった。
フレバンス王国の王はトラファルガー・ローだと世界に広がるのも、そう時間はかからなかった。