• テキストサイズ

時の恋人【ONE PIECE】

第3章 後編 愛する彼女と死の外科医






「…おれには必要ねぇ、他のやつに渡せよ」

ローは本を受け取る気はなかった。

そんな本に頼らなくてもやっていけるし、何よりもあの妖精からの贈り物というのが怪しくて仕方ない。

「……おっと予想していたパターンAが来たか。じゃぁこっちも手はず通りに…」


ローが断った瞬間妖精が何か訳の分からないことを言ってきた。

そして妖精の動向を監視していると、なんと妖精はローに本を投げつけてきたのだ。


「……おい、何がしてぇんだ」


ローは咄嗟に本を受け取ってしまい、妖精を睨みつけた。


「恩着せがましいかもしれないけどさ、彼女の思いを受け取ってあげてよ。何だかんだで君たちを巻き込んで悪かったと思ってるみたいだし」


妖精はヒラリと上空へ舞った。

どうやら贈り物を押し付けるだけ押し付けて帰るらしい。


「あ、なんなら君の連れのことを、もう忘れないようにその本に書いたら?」

「……なんでそれを知っている」


妖精の言葉にローは眉をひそめた。

いったい妖精界にはどのくらい2人の話が出回っているのか。

恐らくあの妖精が喋ったんだろうが、プライバシーの侵害にも程がある。


「まぁいいじゃない。じゃ、渡したからね!大切に使ってよ!」


そして妖精は最後にそう捨て台詞を吐くと、消えてしまった。

その場に残されたのはローと怪しい本だけであり、ローはそっとため息を吐いた。

本の表紙を見てみれば見慣れない文字が書いてあった。

確か知識とか知恵とかそんな感じの文字だろう。

そして裏面を見れば、何気に Trafalgar.Law と書いてあった。

なるほど、名前を刻んだ人しか使えないのか。以外にもその辺はしっかりしているようだった。

まぁこの本の信憑性は分からないが。



(ユーリは絵本を貰ったと言ってたが……)

ローは何故絵本なのか疑問に思っていたが、そういえば自分もユーリに絵本を渡したので、そんな感じかと勝手に納得していた。


そしてローは仕方なくその本と、後幾つか気になった本を手に取ると再び閲覧席に戻ることにした。






/ 576ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp