第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
ローは胸元から顔を上げると、ユーリを上から見下ろした。
そして身体に手を這わせながら様子を伺っていると、ユーリが恐る恐る閉じられた瞼を開いてきた。
「……」
暫く無言で2人は見つめ合った。
ローはいっその事ユーリから指示をしてくれと思ったが、あれだけ命令されるのが嫌いなくせに自ら誰かに指示を仰ごうとしている事実に少し苦笑してしまった。
ユーリはそんなローを怪訝な表情で見ていた。恐らくユーリから何をして欲しいか言わせるのは難しいだろう。
ローは笑いを押し殺すと、ユーリの首元に唇を寄せて吸い上げ跡を残した。
もちろん強くやりすぎるとユーリが嫌がるのは知ってるので軽くしたが。
「…んっ…」
そうやって暫く跡を付けながら下へ下がっていくと、秘部から白い液体が流れているのが視界に入った。
思わずそのまま突っ込みたくなる衝動が沸き起こったが、なんとか耐えた。
耐えるために這わせていた唇で太ももを少し噛んでしまったが、このくらい許して欲しい。
ユーリも一瞬ビクリと足を強張らせたが、特に何も言ってこなかった。
そして更に下へ行き足首を掴むと、そのまま指へ舌を這わせた。
「…えっ?…ちょ、まっ…!」
ここにきてユーリが初めて拒否の言葉を口にした。
ローは指を口に含みながらユーリに視線を寄こすが、本気で嫌だと言ってくるので仕方なく足首から手を離した。
(まじか…ローが私の拒否の言葉を聞いてくれるとは…)
(まさかこいつが嫌がることは何一つできないのか……?)
お互い心中で思うことが色々あったが、ローが先に気を取り直すとユーリに口づけた。