第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
「……ぅあ…っひ…あぁ!」
ベットにうつ伏せにされ手の拘束を解かれたかと思うと、そのまま後ろから貫かれた。
ユーリは前方に這いつくばって逃げようとするが、すぐに引き戻された。
激しく揺さぶられる動きに、その化け物じみた体力と精力はどこからくるのかと、ユーリは軽く現実逃避をしていた。
「も……いや…だ!!」
そしてベットに移されてからどれくらい経ったのだろうか、遂にユーリが根をあげたというか、キレた。
最初ローは気にせず動きを止めなかったが、ユーリがローの手を掴み噛みついてきたので思わず動きを止めた。
「なんだ?」
結構強く噛まれたがローは眉一つ動かさずユーリの反応を待った。
動きが止まったのをいいことに、再度逃げようとしているのは許さなかったが。
「……なんだ?じゃないよっ…毎回毎回……私を殺す気…!?」
逃げれないと分かるとユーリは息も絶え絶えに怒りを露わにした。
ローはそんなユーリの様子を静かに見ていた。
そしてそういえばセックスの最中に怒り出したのは初めてだなと、どこか他人事のように思っていた。
「勘違いしてるようだが、そもそもの原因はおまえだろ。現にここ最近は普通にしてただろうが」
ローの最もな言葉はユーリの心にグサっと刺さったが、まだ怒りは収まらなかった。
(普通にしてた…か?普通の基準がよく分からんが、毎回手加減なしで人が気を失うまでするのが普通か!?偶には優しくしてくれよ!!)
「もういい、離して。優しくしてくれないなら今後はセックス禁止にしてやる…!」
「…へぇ、そんなことができると本気で思ってるのか?」
ローの声が1オクターブくらい下がったが、ユーリも負けてなかった。
優しくされた記憶なんて、ドレスローザに行く前の、最後の夜でのものしかない。
しかしあれは両想いではなかったのでよく考えれば無理やりに近い。
ということは思いが通じて一度も優しくされてないのか?