第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
「ほら、着いたぞ」
そして何時の間に到着したのかローから降ろされたユーリは、出て行けとその身体を押し返した。
「おれは医者だ。心配しなくても排尿行為に感じるものはない」
「そういう問題か!てか医者は医者でも死の外科医でしょ!いいから出ていけー!!」
そう言ってユーリはローを追い出そうとするが力で適うはずもなく、結局目の前で致すことになってしまった。
「う、うわぁぁぁぁぁん!」
そしてユーリは号泣した。流石にローは虐め過ぎたと謝ったが彼女の機嫌が直ることはなかった。
その後部屋に連れて帰ったが未だに泣き止まないユーリにどうしたものかと悩んでいると、ユーリはさっさと着替え始めた。
忘れていたが媚薬の効果もだいぶなくなっているようで、ユーリは涙を拭きながら変な文字の書かれたTシャツとズボンを身に着けていった。
「……おい」
ローはユーリの腕を掴み引き寄せようとしたが、振り払われてしまった。
「…ひっく…ローなんて、嫌いだーーー!!」
バンッ!バタバタッ…ドテッ
ユーリは扉を叩き割るように閉めて走っていったが、途中で転んだのかなんか鈍い音がした。
そしてそんなユーリを唖然とした表情で見ていたローだが、我に返ると慌てて彼女の後を追ったのだった。