第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
ローが視姦を楽しんでいるとき、漸くシュライヤが船を見つけた。
「げっ!?シュライヤ!?」
なんの許可もなく船に乗り込んできたシュライヤにペンギンは顔を青ざめさせた。
「おい、ローはどこにいる?」
ズカズカと船内を歩いてくる男に、地雷原が自らやってきたとクルー達はザワついた。
「今はやめとけって、キャプテンはかなりご乱心だから殺されるぞ!」
「その原因を作ったのが俺だから止めに来たんだろうが」
「え!?既に起爆した後ですか!?じゃぁ更に追い打ちをかけるの止めてくださいよ!船が破壊されます!」
シャチがシュライヤの腕を掴み止めるが、悪魔の実の能力者に適うはずもなかった。
あっさり振り払われると、クルー達がしきりに庇う部屋を見つめた。
その視線に慌てるクルー達。
なんて分かりやすいんだとシュライヤはため息を吐くと、さっさと足を進めた。
ローは外が騒がしくなっていることに気づいていた。
海兵かなんかかと思っていたがあの男の声が聞こえてきたので、ローは顔を顰めた。
目の前には完全に反応がなくなったユーリ。
ローは取り合えずバイブのスイッチを切ってやると、ビクリをユーリが震えた。
どうやら気を失ったわけではなかったらしい。
「ちょっと待ってろ」
ユーリはローがいたとは思ってなかったのか、何か言いたげに唸っていたが相変わらず声を発することができなかった。
ローはそんなユーリを見てどうするか一瞬迷ったが、鬼哭を手に取りシャンブルズで外へ出た。
あの男がこの部屋に入ってきてユーリの姿を見られる前に、始末することにしたのだ。