第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
それからどれくらい経っただろうか。
ユーリからすすり泣く声が聞こえてきて、ローは噛みついていた乳房から顔を上げた。
「ひっ……う……」
瞳を覆う布は既に濡れており、唇からは唾液が止まることなく流れていた。
乳首も赤く腫れあがり、下股なんてもうぐちゃぐちゃだ。
ローは流石にやり過ぎだかと思ってユーリの拘束を解いてやろうと思ったが、彼女が呟いた言葉にカッと頭に血が上った。
「……シュライヤ…とは何も…ないって…」
動きの止まったローに少し余裕ができたのか、誤解を解こうとユーリが説得し始めた。
しかしそれはかえって火に油を注ぐことになってしまった。
「…その名前を呼ぶな」
我ながら心の狭さに嫌気も感じなくもないが、最早怒りに支配されているローは止まらなかった。
「うっ!?」
ローは聞きたくないとばかりにユーリの口も布のようなもので塞ぐと、上体を起こした。
そして入れたままにしていたバイブに触れるとスイッチを入れた。
「んんーーー!?」
ユーリは声にならない声をあげた。
そんなユーリを視界の端で確認すると、ローは立ち上がりベットから離れた。
「暫くそうしてろ」
ローはそういうと扉を閉じた……ように見せかけた。