第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
今ユーリが身に着けているのは、黒のワンピースだった。スカートの縁には白いレースが取り付けられており、白い髪によく似合っていた。
美容室も兼用なので髪も軽く切りそろえてもらい、ここにきて漸く沼に落ちていたダイヤが回収され無事に商品化したような感じになった。
これで似合う?等可愛いこと言ってくるなら素直に感想を述べてやらんこともないが、当の本人ときたらスカートをバンバンと叩いて不満顔だ。
まったくムードも何もあったもんじゃない。
まぁそんなユーリもローは好きになったのだから、まったくもって重症である。
「おまえはまだ戦うつもりなのか?」
ローは呆れ顔でユーリを見ていた。相変わらず血の気が多いというか、ローがいるのに自ら戦闘メンバーに加わりたがる心理が分からない。
今まで出会ってきた女にそんな奴はいなかったし、仲間内にも女はいるがローがいるときは自ら前に出てくるような真似はしない。