第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
ローがキッチンへ向かうと、当たり前だが深夜なので誰もいなかった。
なので渋々自分で用意する羽目になり、更には偶々起きてきたペンギンに見つかり病み上がりのローが手にお菓子を持っている状況にかなり動揺していた。
非常に腹が立つリアクションだったのでそのまま無視していたが、頻りにどうしたんですかと聞いてきて面倒だったので答えてしまった。
そしてその答えに更に動揺したペンギンは、『キャプテンを顎で使うとかやべぇ』と呟いていたので今度こそ完全に無視して出てきた。
その後ローが部屋に戻ってユーリに奇跡的にあったお菓子を渡すと、モサモサと食べ続け腹の中に納まっていた。
咄嗟にウサギが草を食ってるイメージが出てきたローだが、ユーリは満足したのか再び深い眠りに入っていった。
そしてローも軽くシャワーを浴びてユーリの身体をある程度綺麗にしてやりシーツも取り換えると、漸く寝る体制に入った。
プルプルプル
すると突然ローの私室の電伝虫が鳴った。
ローは眉間にシワを寄せると、なんとなく相手が誰だか分かりそのまま切ろうとした。
しかし切ったところでまた掛かってきそうであり、この深夜に鳴り響く電話は非常に耳障りで仕方ない。
ローは起き上がると渋々受話器を上げた。