第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
「……はぁっ」
荒い呼吸が響く中、ローはユーリの上に倒れ込み息を整えた。
重いと言っているような気がするが少し我慢してもらいたい。
って思っていたのだが、ローは突如ガバッと身体を起こすとユーリの身体を見た。
どうやら傷は開いていないようでその事実に安堵すると、ずる…と楔を引き抜いた。
こぼれ出る白い液体に再度性欲が沸き起こるが、今日のところは諦めた。
「…うえぇ…まだ口の中が苦い…甘いものを持ってきてくれ……いや持ってこい」
そしてユーリはまだそんなことを言っていた。しかも微妙に怒っているのか口調が命令口調だ。
ローはそんなユーリを不愉快に思うどころか、笑いが込み上げてきた。
しかしこれ以上彼女を怒らせるのもなんなので、笑いを押し殺すと大人しく従った。
ユーリなら別に命令されるのも悪くない。
そんなことを考えながらローは服を適当に羽織ると、甘いものを用意させるためクルーの元へ向かったのだった。