第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
(……このっ)
そんなユーリの幼い動きに、ローの我慢も限界に達した。
上手いか下手かと聞かれればまだまだ下手だが、視覚的暴力もあり、あのユーリがやっているという事実がローのなけなしの理性を一瞬で葬ったのだ。
そして徐に上体を起こすと、ユーリの頭に手で掴み一気に口内の奥へ差し込んでやった。
「んぐ!?」
突然のことにユーリはえずくが、激しく抜き差しされるそれを止めることができなかった。
「ふ……んん!?うぐっ」
「……っ」
ユーリの目には涙が溢れて喉の奥を付かれる感覚に苦しそうな表情だったが、元々サディスト気味なローにとってそれらは興奮の材料でしかなかった。
そしてユーリの口内で暫く好き勝手に暴れると、その小さな口の中に思いっきり吐き出してやった。
「うえっ……おえっ…」
ユーリは何するんだと半泣き状態で睨みつけ吐き出そうとしたが、ローの手によってそれは阻まれた。
口を押えられ吐き出そうにも吐き出せず、苦い味だけが口内に広がっていく。
「……それを飲んだら、少しは優しくしてやる」
そう言い放つローの目は完全にイッていた。そもそもの言い出しっぺはローなのだが、ユーリが頑張り過ぎたせいで完全に理性の糸が切れたのだろうか。
なんとも理不尽なことだが、無駄に逆らってこれ以上不穏な空気を悪化させたくなかった。