第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
「……っ」
意外と頑張るユーリにローも僅かに息が上がりつつあった。
まぁ頭を押さえて離れないようにしているのはローなのだが、幼稚ながら頑張っているユーリを見て自身が昂っていくのも無理はない。
「ぷはっ……ゼィ……ゼィ」
そして漸く満足したのかユーリは解放された。
完全に息を上げ力の抜けているユーリに、そろそろ主導権を変わろうかと思っていたのだ。
しかしローが身体を起こすよりも早くユーリが動いた。
再びローの肌に舌を這わせ吸い上げていく。跡を付けるのはもう諦めたのか、その唇は徐々に下へ下がってきた。
「……おい、そろそろ変われ」
ローはそんなユーリの積極的な行動も楽しみたかったが、いい加減じれったいその動きに理性の糸が切れそうだった。
このままだとユーリを下に引き倒して滅茶苦茶にしてしまいそうだったので、ローが主導でやろうとしていたのだ。
しかしそんなローの内心を知っているのか知っていないのか、珍しくもユーリが余裕な笑みを浮かべていた。
「え?もう降参なの?」
不敵に笑うユーリの表情は、普段のそれから想像がつかない程卑しい雰囲気を纏っていた。
一瞬呆けたようにその表情を見ていたローだが、そんなこと言われれば引かざる得ない。
「……どうなっても知らねェぞ」
ローは低く呻くようにそう言って、再びユーリの好きにさせた。
ローの言葉の意味を理解しているかは謎だが、ユーリはニヤリと笑うとローの服を脱がしにかかった。