第1章 前編 時の彼女と死の外科医
「てめぇ、ロー!さっきレディーを危険な目に合わせるなった話してただろうが!」
「少なくとも黒足屋より強いと思うが」
「はぁ?何言って……!そもそも彼女も能力者だろうが!」
「こいつは特殊だから海は泳げる。麦わら屋、時間がないから行くぞ」
「おう!おまえらユーリは俺が守るから心配するな!船をよろしくな!」
「追っ手が来る可能性があるからな、気をつけろよ」
潜水艦の扉を閉める前にローが放った一言。
その言葉に一味が騒つくが、ローは気にせず潜水艦を進めた。
(はっ!なんか気づいたらかなり都合の良い展開に!?最初が悲惨すぎたから神様が同情してくれたのだろうか)
ユーリは後ろからローとルフィが話してるのを眺めながら、至福の時を感じていたのだった。
「おまえ、能力者なのに泳げるってすげーな!」
「あっ、いえ、それほどでも」
無事に敵のアジトに潜入できたので、3人は潜水艦から降りた。
そしてすぐルフィから話を振られたユーリは、妄想の世界から慌てて戻ってきて答えた。
「船に乗った時、能力の話してたけど、よく分からなかったから一回見せてくれよ!」
「おい、遊んでないで行くぞ。後こいつは能力を使えば痛みが走るらしいから、無駄に使わせようとするな」
「えっそうなのか?それは悪りぃ」
「いや、私も説明してませんでしたので気にしないでください」
「…おまえは極力能力を使うな。時間が無かったから連れてきたが、おれと麦わら屋がいればどうにでもなるだろ」
「ししし!そだな!」
「…ありがとうございます」
そう三人で話しながら足を進めていると、ガラス張りの広い空間に出た。