第2章 中編 生贄の彼女と死の外科医
「なにしてんだ」
ふと声が聞こえたので顔を上げてみると、そこには眉間にシワを寄せた少年がユーリに手を差し伸べていた。
姿こそ幼いが、その少年が誰なのかユーリは分かっていた。
ーーーーあぁ、なんで忘れていたんだろう
ユーリは少年の手を取った。
ーーーー私を助けてくれてたのは施設の人なんかじゃなかった
辺りを見渡せば真っ白い街だった。
ーーーーありがとう。私を見つけてくれて
ユーリはローに抱きつくと、真っ白だった景色に色が戻り始めた。
ローは彼女の美しい白金の髪を見て驚いていた。
「……おまえは…」
ローが何かを伝えようとした瞬間、再び景色が変わった。