第2章 中編 生贄の彼女と死の外科医
ーーーー〇〇駅~
「……っ?」
ユーリが目を覚ますと、乗っていた電車が最寄り駅で止まっていた。
慌てて身体を起こしドアへ向かうと、ギリギリで外に出ることができた。
辺りはすっかり暗くなっており、もうすぐ冬が訪れようとしている。
ユーリは冷える空気に身体を少し震わせると、住んでいるアパートへ足を速めた。
(しかし随分長いこと寝てた感じがするなぁ。なんか夢を見ていた気がするけど、なんだったんだろう)
ユーリはアパートに着くと、適当にコンビニで買った弁当を広げ、ぼんやりとテレビを見ながら食べていた。
そして風呂に入り冷えた身体を温めていると、見たことのない傷跡が目に入った。
「んん?なんだこれ?何時の間にこんなに傷だらけに?」
ユーリは少し怖くなったが、とりあえずまぁいいかと気にしないことにした。
そして風呂から上がると録画していたワンピースを見始めた。
ここ1か月ほど見ていなかったので一気に見ようと思ったのだ。
(そういえば今はサンジが結婚しそう…されそう?どっちだ?ローが出てこないからあんまり頭に入ってこないぞ)
ユーリは最近ローが別行動ということもあり、あまり出番がないので少し寂しかった。
早くワノ国が始まらないかなと心待ちにしていた。
(……あぁ、そういえばローも結婚させられそうだったなぁ)
ユーリはそう思いながらぼんやりとテレビを見ていた。
「……え?……誰と?」
ユーリがそう呟いた瞬間、床が消えて深い闇の中に落ちていった。