第1章 前編 時の彼女と死の外科医
ユーリがルフィ達と合流した夜。
皆はいつ来るか分からない襲撃に備えて、警戒態勢に入っていた。
そしてユーリはというと、敵襲を警戒してる振りをしつつもローとルフィのやり取りを、一つも逃すまいと違う意味で警戒していた。
あの後、行く宛てのないユーリを快く受け入れてくれた麦わら一味。
そのことにユーリは感動していたのだが、それ以上にローとルフィのやり取りを見て感動していた。
どうやら原作にないやり取りも結構あるようで、まさにここは天国だった。
「あっ、ルフィ食堂に入っちゃった。仕方ない私も本来の仕事に戻るか」
ルフィが腹が減ったと食堂に消えたところで、ユーリは漸く重い腰を上げた。
そしてルフィがいなくなった為無人となった裏手に回り、暗い海を警戒した。
勿論この後起こることは知っているのだが、一緒に行動する以上不審に思われても仕方ないので、彼らの指示に従うことにしたのだ。
「あら、元気そうね。悪魔の実の能力は慣れた?」
そして物凄く自然と現れた妖精。
ユーリは思わず転けそうになった。
「色々言いたいことはあるが……まずは一言。今更おせぇよ!」
ユーリは思わずビシッと突っ込みを入れた。
寧ろ今更何をしにきたのか問いただしたい。