第2章 中編 生贄の彼女と死の外科医
ユーリはワープを使いリデルの背後に回った。音もなく現れたユーリに驚いている彼女から指輪を奪うと、ブラックホールで破壊した。
途端に響き渡る怒声。
リデルは刀を召喚しユーリに襲い掛かろうとした。
そしてユーリもまた、リデルの動きを止めるべく刀を召喚した。
「ROOM」
だが、それもローの能力によって解除されてしまった。
「誰だてめェは」
ユーリに向けられる冷たい視線と、鬼哭。
久しぶりに向けられた視線に、ユーリは心が締め付けられる思いがしたが、彼女は笑った。
向けられる銃口、ユーリを囲む多くの海軍達、そんなユーリを勝ち誇ったような表情で見ているリデル。
……そして愛する人から向けられた剣先。
自暴自棄になって笑ったのではない、……死を覚悟しての笑いだった。