• テキストサイズ

時の恋人【ONE PIECE】

第2章 中編 生贄の彼女と死の外科医





ローの記憶は結局戻らなかった。
でも、指輪を破壊することができた。だから後は、なんとか逃げのびてほしかった。

彼に殺されるなら、それでもいい。
元々ユーリの命は、3年前に彼の為に使うと決めていたのだから。



「3年前の返事を、もう一度伝えにきました」

だけど最後くらい、自分の思いを伝えたかった。
記憶のない彼だから、きっと気に病むことはないだろう。

ローは悪くない、寧ろ被害者だ。そんな彼が悲しまないよう、最後は笑顔で終わりたかった。
























「愛しています」










鳴り響く銃声。辺り一面に飛び散る、大量の血液。

身体に打ち込まれる銃弾に一切顔を歪ませることなく、最後まで笑っていたナギサは、静かにその場に倒れた。



「……っ!?」

ナギサが倒れた瞬間、ローは激しい頭痛に襲われその場に膝をついた。
地面に投げ出された鬼哭。

頭痛は収まるどころか更に強くなっていき、目の前が真っ暗になった。
そして真っ暗なはずなのに、美しい白金の髪の女性だけは浮かんで見えた。

彼女はローに視線を向けると、優しく笑いかけた。




/ 576ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp