第2章 中編 生贄の彼女と死の外科医
「おまえ、その姿どうしたんだ?しかもなんだこの高熱!?何でこんな状態で働いてるんだ!?」
「いや、すみません、取り合えず落ち着いてください」
「落ち着けるかよ!」
ユーリだと気づいたシュライヤは生きていたことを喜ぶ半面、変わり果てた姿の彼女に驚愕した。
そして顔色が悪いと思って頬に手を当てたら、あり得ない程の高熱だった。
医者でない彼でもそう思うのだから、本当に高熱なのだろう。
聞きたいことは山ほどあるが、シュライヤの頭は混乱を極めており落ち着いている場合ではなかった。
捲し立てるように質問するシュライヤにユーリは困った笑みを浮かべていた。
しかしそんな二人は目立ったようで周りからの視線を感じ、慌てて人目のつかない場所に二人は移動した。
そして二人きりになると、ユーリから色々と話を聞いた。
どれもこれも信じられないような内容でシュライヤは頭が痛くなったが、そんなこと言ってられなかった。