第2章 中編 生贄の彼女と死の外科医
ユーリは結婚式の日取りを見て驚いていた。
(はや!?私結婚式事情は知らないけど、こんなパッとできるものなの?もう少し色々新郎新婦でキャッキャウフフしながら決めて準備してたらいくら時間あっても足りないよね?
いや、別に相手がローだからそんなキャッキャウフフしなくていいんだけど。取り合えずどうしよう!?)
ユーリは昨夜ローと出会ってから、彼を説得しこの島から連れ出すのが、いかに厳しいか痛感した。
分かっていたがユーリのことなんてまったく覚えおらず、そんな彼女が話をしても、不審がられて終わりだろう。
心のどこかで、少しはローも気にしてくれるだろうと思っていただけに、自分のあまりの計画性のなさに嫌気がさしていた。
そして追い打ちを掛けるようにユーリの体調はもう最悪だった。
今日は遂に気を失ってしまい、気づけば何時も寝泊まりしている部屋に運ばれていた。
暫くすると管理人のような人がやってきて、今日は休むように言われた。
正直助かったが、結婚式の変更の話を聞いてとても休んでる場合ではなかった。
しかし考えても考えてもいい案が浮かばず、結局結婚式前日まで体調が治ることはなく、寝て過ごして終わってしまった。
そしてユーリはまだ体調が回復してなかったが、今日は結婚式の前夜祭ということで人手が足りず駆り出された。