• テキストサイズ

時の恋人【ONE PIECE】

第1章 前編 時の彼女と死の外科医



「ユーリちゃん!探してたんだぜ。だいぶ冷えただろ?これでも食べて温まってくれ」

ユーリが戻るや否や、サンジがスープを持ってきてくれた。

ユーリはお礼を言うと皆から少し離れた場所に腰を下ろし、ゆっくりとスープを飲んだ。

スープの温かさと美味しさのおかげで、漸く張り詰めていた空気を緩めることができた。

ユーリはゆっくりと辺りを見渡した。

ローとスモーカーが何か話している姿が見え、ルフィ達が騒いでる姿が見え、改めてこの世界が現実のものだと実感し始めた。

そしてユーリは、これからどうしようかと、ぼんやり考えていた。


「……おい」

スープも飲み終わり暫くぼーっとしてると、再びローがこちらへやってきた。

ユーリが慌てて声のした方を振り返ると、いつになく眉間にしわを寄せているローがこちらを見ていた。

「わ、私、何かしましたでしょうか?」

無言でユーリを見据えるローに、何事かと思い当たる節を探した。

(も、もしかしてコートが汚れていたとか!?だからあれほどクリーニングに出したいと言ってたのに!いや、言ってないけど)

ローの剣幕に押され動揺するユーリは一人ノリツッコミをしていた。

ローはそんなあたふたとするユーリを見てため息を吐くと、徐にユーリの前に座り込んで足を掴んだ。

「…へっ?」

「歩き方がおかしいと思ってコートを見てみれば、汚れてねぇし」
「…っえ?」


(汚れていないならいいのでは?)

咄嗟にそう口を開こうとしたが、ローの視線が痛かったので黙った。

「麦わら屋の船医にでも頼むかと思ってれば、何時までもぼーっとしやがって」

「……」


ユーリはここに来て、漸くローが凍傷のことを言っているのだと気づいた。

よくよく見ればローは手に何かを持っており、まさかの治療イベントにユーリは動揺のあまりフリーズした。




/ 576ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp