第2章 中編 生贄の彼女と死の外科医
次の日ユーリはチラシの書いてある場所に向かうと、軽く面接が行われた。
最初は全身真っ白で髪も乱雑に切り刻まれているユーリを不審がっていたが、余程人がたりないのだろうか、すぐに採用となった。
ユーリはある程度身なりを整われると、これからの仕事内容を聞かされた。
そして本人の希望で住み込みでも可という事だったので、取り合えず希望した。
といっても短期間でケリをつけるつもりだったが。
完全に手ぶらなユーリが住み込みを希望したことに面接官は不審がっていたが、特に突っ込まれることはなかった。
必要最低限の着替え等を従者から受け取るように指示をすると、次の面接へ向かってしまった。
ユーリは貰った荷物を整理していると、ふと目の前の鏡が目に入った。
何もかも真っ白だと思っていたユーリは、瞳の色だけ辛うじてオレンジ色を残していた。
暫く興味深げに鏡を見ていたユーリだが、従者の人に早くしろと言われたので慌てて準備をした。
(はぁ、随分と変わってるなぁ。これじゃローと会っても気づかれなさそう。…いや、記憶がないから気づくも何もないか)
ユーリは苦笑すると、案内されるように従者の後について行った。