第2章 中編 生贄の彼女と死の外科医
そして夜になり4人は約束の場所で落ち合うと、それぞれ情報を交換した。
「なんか近々結婚式が開かれるらしいぞ」
「え?誰の?」
「うちのキャプテンとあの女の」
「げっ!?まじで!?」
「え~?キャプテンってそんなキャラだっけ?」
「ベポ、おまえユーリの話を聞いてなかったのか?キャプテンは操られてるんだよ」
「いや操られてるというか記憶が書き換えられ…」
「あぁもう!この際何でもいいからどうにかして阻止しないと後でキャプテンに殺されるぞ!」
「なにそれめっちゃ理不尽」
4人でザワザワしながら話を進めていくが、肝心のどうやってローを取り戻せばいいのか見当もつかない。
ローの心臓も探さないといけないし、何より本人と出会えるのかさえ怪しい。
山積みになった問題に皆がため息をついていると。徐にユーリが口を開いた。
「あの…実はこんなチラシを見つけまして」
そういって差し出してきたのは、王宮の使用人募集のチラシだった。
結婚式の影響なのかなんなのか知らないが、人手が足りてないらしい。
しかし募集条件は女の人のみである。
3人はユーリだけ行かせるのは危ないと止めたが、他に良い方法があるのかと問われ諦めるしかなかった。
そして残った3人は小舟の見張り番と、ユーリの同行を見守るチームに分かれ、ユーリの無事を願ったのだ。