第2章 中編 生贄の彼女と死の外科医
「すげぇ!なんだこれ」
先へ進むと巨大な遺跡のような建物が現れた。
巨額な財宝が眠る気配にクルー達も色めき立つが、その扉は固く閉ざされている?
ユーリは扉の前にある祭壇に近づくと、ローを呼んだ。
シェリーも一緒に来ようとしたが流石にユーリは止めた。
不満そうに何か言っている彼女だが、これから先長くローと一緒にいられるんだからこのくらいは許してほしい。
「ちょっと私の心臓取ってくれないかな?」
そしてなんとも軽いノリで言ってくるユーリに、ローは眉間に皺を寄せ、その真意を探った。
「この扉を開けるには私の心臓が必要なんです。別に死なないよ。それとも私のこと心配でもしてるの?」
不敵な笑みを浮かべてくるユーリにローは舌打ちすると、ゆっくりとユーリの胸に手を当て心臓を掴んだ。