第1章 前編 時の彼女と死の外科医
ユーリ達はトロッコを使い無事に脱出すると、あっけなくシーザーを捕まえて出発前に宴会を始めた。
ローの言葉を華麗に無視するルフィに、ユーリは微笑ましく思っていた。
そしてナミから借りた服に着替えるため、離れた場所へ向かう。
「…借りる身分で言うのもなんですが、この過度な露出は。前科持ちの私には荷が重すぎる」
ユーリは暫く服を見つめていたが、とりあえずコート着てるうちは大丈夫だろうと思い着替えた。
そして自分で服を調達するまで、絶対にコートを脱がないことを決心した。
「…いつになったらコートを返すんだ、お前は」
「ひっ!?」
そして皆のところへ戻ろうと振り返った時、眉間にしわを寄せているローがいつの間にか立っていた。
ユーリは思わず驚き変な声が出たが、慌ててお礼を言ってローにコートを返した。
極力汚さないように、かつ踏まないように気をつけてたから大丈夫だと思うが、できれば洗って返したかった。
踏まないようにしていた為若干足の裏が凍傷になりかけたが、コートの裾を踏みまくるよりはましだった。
ユーリは改めてお礼を言おうをローに向き合ったが、そこで一つの事実に気づいた。
(でかっ!たかっ!ナミやロビンが170越えだから違和感なかったが、そういえば190超えてましたね。
てか、私これ何cm設定?160cmないくらい?ここは日本じゃないんだからもっと時代の流れに合わせてくれよ!
てかなんで髪だけ金髪!?いや色素薄いからクリーム色?寧ろ白?私金髪なんてしたことないからそこは日本に合わせてもよかったのに!)
ユーリは腰の位置まである髪を掴み、忌々しく睨んでいた。
しかもよく見たらストレートじゃなくて何かパーマがかかっている。
これでは寝癖の温床じゃないかと益々憤慨した。