第1章 外科医:瀬見英太
今度こそと、スマホを放り投げ羽音を抱きしめた瀬見はそのままキスをして彼女を押し倒す。
「返事来るよ、五色先生から…」
押し倒された羽音はキスの合間に、メールの相手を心配する。
「もういいよ。大丈夫」
瀬見は、そんなものはもう気にしないとでも言わんばかりに羽音の服へ自らの腕を差し入れ、彼女の身体を撫で回した。
風呂上がりの温かい身体と良い香りが瀬見を刺激する。
大丈夫と言ってるそばからメールの着信音。
羽音は、それが気になって仕方がなかった。
首筋にキスを落とす瀬見の頭を抱え、胸を這う彼の手を掴み身体を反らせるが、チラリと見える彼のスマホのライトに手を伸ばす。
「気にすんなって」
羽音の手から届かぬ場所へそれを放り投げ、彼女を抱きかかえると寝室へ運んだ。
ベッドの上へドサリと彼女を乗せると、その上に自分が覆いかぶさった。
「俺も充電させて」
羽音の身体と自分の身体を擦り寄せながら彼女の衣服を次々と脱がせていく。
下着から溢れ出た二つの膨らみを両手で包み込みゆっくりと揉み解す。
「…んっ」
胸先への刺激に小さな声を上げた羽音をニヤリと見下ろした瀬見は、そのまま彼女の胸に吸い付いた。
口の中で主張した突起を転がし堪能する。
空いている手で、彼女の臀部に手を回しその柔らかい肉を揉みだすと、羽音の身体がフルリと震えた。
「瀬見せんせっ…」
もの欲しげな瞳がかわいくて、彼女のいいところを求めてさらに手を回す。
残りの下着に手を掛けた時…いつも視界に入る彼女の下腹部に残る小さな創痕。
それが何のオペの痕なのか尋ねた事はなかったが、いくつか思い当たるものはある。
しかし、これだけ痕が残っているのがオペした医者に恨みすら言い放ちたいと思わせ、いつも毎回、この時、そこへキスをする。
たぶん彼女も分かっている。瀬見がいつもそこへキスをする事を…。
羽音の下腹部がキュンとする瞬間だ。
「羽音」
「英太っ…」
名前を呼ばれたのを確認して、瀬見はそっと彼女の秘部へ手を当てる。