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【R18】医療パロ短編集【HQ】

第4章 研修医:五色工


五色がオペ室へ到着すると既に着替えを始めている瀬見が居た。

「すみません、遅くなって」
「いや、こっちこそ悪ぃな」

仕度をしながらオペの概要について説明を受け助手としての役割を把握する。
緊急のオペとあってどんどん準備は進められあっという間に開始されたそれは、瀬見先生の華麗な手さばきに見惚れるほどだ。
牛島先生のオペとは違う雰囲気で進められてはいるが、五色にとっては貴重な経験の場であった。

無事に緊急手術を終えれば間もなく日付が変わりそうになっている。さすがにこれから論文を仕上げようと思ったら貫徹になってしまいそうだ。できれば仕上げておきたかったが、急ぎの物でもないし明日にしようと医局に戻って片づけを終え、いったん帰宅することにする。

羽音…もう寝てるだろうなと思いながら家路を急ぐ。
緊張からか減っていなかったはずの腹が鳴り、途中のコンビニでいくつか買い物をしてから帰宅した。

家に帰ればリビングについている明かりに癒される。

「ただいま」

ロ―テーブルでパソコンを開いていた羽音が声の主の方へ振り返れば達成感に満ちた顔で立つ五色がいた。

「お疲れ様」

ニコッとほほ笑む羽音の顔に、さすがの五色も疲れをみせる。彼女の前でだけはついつい甘えた自分を出してしまうのであった。

「どうだった?オペ」
「もちろん成功した。瀬見先生のオペはいつ見ても綺麗だ」
「牛島先生と違うの?」
「牛島先生のは次元が違う」

そんな話をしながら五色は羽音の背後に座り込み、彼女を抱えるように抱きしめると肩に顎を乗せたまま彼女のパソコンを覗き込んだ。

「何してたんだ?」
「ちょっと調べもの」

羽音が開いていたパソコン画面は、今しがた自分が介助していた手術に関する内容のものであった。
甘えたモードに入った五色は羽音の耳や首筋にキスをしながらその画面をチラチラと読み進める。

「お前、今小児科だろ?」
「んっ……うん。でも、来月外科行くから」

その言葉に驚きの表情を見せる五色。だいぶ前に話したはずなのにすっかり忘れていたようだ。
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