第3章 小児科医:及川徹
シャワーを浴びて戻ってくれば、先ほどと変わらぬ体勢で眠っている羽音の姿。
ベッドサイドに置いているパソコンデスクに腰を掛けると、どこぞの教授から届いている症例検討のメールに目を通す。
この仕事は大変だけど嫌いじゃない。
努力をすれば結果も見える。
努力だけが全てでなくても、未来が見える…そんな仕事だ。
大変な事があっても、癒してくれる子供たちとコイツが居ればそれでいいと思ってしまう。
スヤスヤと眠る彼女はまるで子供の様でかわいらしい。
教授にメールの返信を送りベッドに腰を下ろすと眠っている彼女の頭にそっと手を乗せた。
柔らかい髪がふわっとした感触を伝える。
及川の手のくすぐったさに身動ぎした羽音は、うっすらと目を開けてぼんやりと瞳に映る及川を見てニコリと微笑んだ。
「おはよ」
「まだ、夜だよ」
小さな声で挨拶をした羽音に笑みとキスを同時に送る及川を羽音がギュッと抱きしめた。
「気分は悪くない?」
お医者っぽく羽音の顔を覗き込み額に手を当てる。
「むしろ気分がいいです」
当てられた手に自分の手を添えてそっと撫でると及川が彼女の顎をクイッと持ち上げて大人のキスをした。
何度も何度も角度を変えてお互いの唇をお互いの舌を吸い、絡め重ね合う。
「もっと気分よくなっちゃう?」
おどけた及川の言葉に羽音が頷けば、彼の手が彼女の衣服を脱がしていく。
脱がされることに抵抗はしない羽音だが、及川の顔を見て少し不満げな顔をしていた。
「何?」
ブラのホックに手を伸ばした及川が羽音に問いかける。
「気分良くなりたいけど…コールが来たらヤダ」
「来ないよ」
「来たらイイ気持ちのまま放置じゃん」
羽音がなんとなく気乗りしないままに、及川は彼女の胸を揉み始めた。
「だって、羽音のおっぱいこんなになってるよ?」
そう言いながら、羽音の乳首を軽く突き刺激を与える。
乳首に触れられるたび体がピクリと反応してしまう。
「ずるいっ……んっ」
身体を捩り及川からの刺激を反らせようとするが彼の手が羽音の全身を捕らえて離さない。