第2章 精神科医:黒尾鉄朗
口内を犯す彼の音が耳に響き、体が熱く反応してしまう。新鮮な空気を吸い込みたくて顔を反らせようとするも、黒尾の手が頭を支えていてうまく動けない。
少しだけ反らせた身体に黒尾の手が伸びた。
白衣のボタンをひとつずつ外されていけば、真っ白な下着が露わになる。
黒尾はその真っ白な下着へ顔を埋めた。
「黒尾先生?」
いつもと違う感じがして、羽音が言葉を投げかける。
何故だか分からないが、覇気のなさそうな彼の頭をそっと抱きしめる。
ツンとした彼の髪が少しだけくすぐったくてそれでも愛おしくて、ゆっくりと息を吸い…
「好きです」
と言葉を吐き出した。
その言葉の後にピクリと動いた黒尾の身体。
「今、何て?」
「…私、黒尾先生のこと…好きです…」
黒尾は、羽音の身体から完全に離れると両手で顔を覆いブツブツと何か呟き始めた。
中途半端な格好のまま放置された羽音は、ひとまず胸元を隠すと黒尾の方を恐る恐る見つめる。
「羽音…」
俯いたまま自分の名前を呼ぶ彼に、恋の終りを予感しながら自分の思いを告げようと決心した羽音。
「私、いいです。こういう関係でも…黒尾先生の傍にいられるなら…そのっ…」
「羽音!」
もう一度彼女の名前を呼んだ黒尾は、羽音を強く抱きしめた。
そして、先ほどの行為の続きを始める。
無言のまま、彼の手が羽音の身体を解きほぐして行き、うっすらと涙を浮かべた彼女の頬に手を添えた。
耳から頬へ、頬から首筋へ、首筋から胸へ、そして腹部へと彼の印が刻まれていく。
あっという間に脱がされた白衣は床に落ち、下着の中へと入り込んだ黒尾の指が羽音の潤った秘所へと到達する。
体中にキスが落とされながらの行為は今まで以上に欲を感じ取らせた。
「黒尾先生っ…」
彼の指が自分のナカに入り込み、羽音は彼の名前を呼ぶ。
グチュリとナカがかき乱されて、頭の中が真っ白になっていく。
この人の事が好きで好きでたまらない…。
それは、彼も同じ気持ちであった。