【イケメン戦国】お気に召すまま【修正完了しました】
第6章 ENVY
「えっ…!?まさか怪我した、とかですかっ…!?」
思わず心配になり身を乗り出した私に、石川さんはそっと笑い、首を振った。
「そういった事は無いのですが…もう本日は床につかれたご様子でして、私共もお声をかけ難く。
どうか、御勘弁を」
「そんな、勿論です!また明日、出直しますね」
笑って手を振ると、石川さんはまた困ったような笑顔を浮かべた。
何故だろう、と気になりつつ、家老さんだって一緒に戦に出ていたんだしお疲れだろう、と思い当たる。
そして負担になってはいけないな、と御殿を後にした。
さて、今からどうしよう?
折角ここまで下りてきたのだし、まだ日も半ば。
真冬にしては麗らかな陽気に誘われ、宛もなく進むうち、気付けばあの花畑へと足が向いていた。
日向ぼっこなんていいかも、と少し浮き足立つ、けれど、一人なのがほんの少し、寂しい――
だからと言って、誰に声をかける気にもなれなかった。