【イケメン戦国】お気に召すまま【修正完了しました】
第5章 allure
「何を申すか。
こんな夜半に、男の寝所に女が訪れてする事など決まっている」
「そ、そんなつもりじゃっ…ひ、やっ」
襟元を開かれ、肩の筋に沿って舐めあげられ。
ぞわり、と背筋に何かが走る。
嫌だ、と言おうとしているのに上がる声は言葉にならない。
「あ、やっ、信長、さまぁっ…!」
「…貴様、その様な甘い声も出せるのだな」
さらけ出された胸元に唇が寄せられ、音を立てて吸われると真っ赤な花が咲く。
痛いのに、ぞわぞわと湧き上がってくる感覚に甲高い声が勝手に出る。
この先に起こる事が想像出来ない程、初心じゃない。
信長様の事は好きだ、大切な人だ。
必要としてくれているなら応えたい、この行為は同情でも出来ると、大人の私は知っている――でも、
「信長様っ、いえやす、はっ…
好きじゃなかったら触れない、と、言っていましたっ…」
信長様が、顔を上げる。
中断させたからか、怒りに似た表情が見て取れて、身が竦む。
恐怖で、じわり、と涙が滲む。
けれど、信長様の為にも、自分の為にも――彼とこれから共に在る為にも、きちんと言葉にしなければならない。
「信長様は、違うのですかっ…?
気持ちが無くても、この様に交わりたいと思うのですか…?」