【イケメン戦国】お気に召すまま【修正完了しました】
第5章 allure
いつも朗々とした信長様の声が、少し考え込むように言い淀んだ…
けれど、了承の返事が返ってきたことに安心して。
盆を傍らに置き、座して襖を開ける。
お辞儀をして、顔を上げると、信長様は何処か驚いた様な様子でこちらを見ていた。
今日は珍しい表情ばかり見るな、と思いながら口を開く。
「お休みの所、突然すいません。
お茶とお菓子をお持ちしたんです」
「頼んではおらぬぞ」
「…えっと、妹さんの事を、聞いて。
差し出がましいとは思ったんですけど…
私が出来ることは無いかな、と思って来てみたんです」
よく見ると、もう信長様は夜着に着替えていた。
ラフな格好だけど、背後にオーラが見えそうだ。
イケメンは何を着てもイケメンなんだな、なんてぼーっと見蕩れる。
そして、開けっ放しだと寒いな、と思い当たり。
一歩進んで、襖を閉めた。