【イケメン戦国】お気に召すまま【修正完了しました】
第5章 allure
豪華絢爛を形にした安土城、その一番上にある天主、そして一際豪華な設えの、信長様の部屋の前。
襖の前で私はよし、と気合を入れ直し、抱えていた盆を持ち直した。
盆の上には信長様のご趣味だと言う硝子の皿、そこには金平糖が盛られている。
そして急須には、未だ湯気の立つ熱いお茶。
慰める、なんて上からだけれど。
甘いものを食べて、お話を聞けば少しは心安らぐんじゃないかと考えた上の策。
いつも食べ過ぎだと秀吉さんからお叱りを受けている好物の金平糖も、私の分から少しお裾分けだ。
――こんな時だし、少しくらい秀吉さんも許してくれるだろう。
「信長様、千花です」
「千花?どうした」
「少し、宜しいですか?」
「…入れ」