【イケメン戦国】お気に召すまま【修正完了しました】
第5章 allure
「して、どうであった…報告せい、猿」
「はっ。近江の海の東北、今浜と申す辺りまで浅井の者共が落ち延びており、そこで刃相交えました。
こちらの軍勢が圧倒的に多勢だった事もあり、苦なく頭領を仕留めております。
更に残党がないか、家康が残って後始末をして居る次第」
「…相分かった、もうよい」
いつもより短めの報告を終わらせて、信長様はお膳に箸をつけた。
それに倣って皆も食事を始める、が、私は違和感を拭えずにいた。
報告が短めなのも、信長様が打ち切るような形でそれを終わらせた様な印象を受けた。
そしていつもなら戦から帰ってきたら、政宗が作る祝い膳が出る。
お酒なんかも振る舞われる事が多いけれど、今日はそれが無い。
何より、皆何処か沈んで見える――
私も声を上げ難くて、心持ち静かにもそもそと食事を終える。
こういう時、気を使って話しかけてくれる三成くんも今日は黙ったままだ。
誰に声をかけたら、この謎は解けるのだろう?
そもそも、聞いていいものなのかもわからない、けれど――