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【イケメン戦国】お気に召すまま【修正完了しました】

第4章 roasting






嫌じゃなかった訳が無い、そう声を上げようとしたけれど。
家康の感情の機微に、不謹慎にも嬉しくなって。
目の前の着物の合わせの部分を崩れない程度に掴み、顔を寄せると、家康の香り。



すぅっと空気を吸い込むと、家康が少し息を詰めた。





「っ…だから、そういう振る舞いが無自覚だって。

この前から言ってるのに」



家康がそっと、私の身を引き離した。
同時に離れていくあたたかな体温に、私は微かに身を震わせ、家康を見る。




「…その表情も、駄目」





恐らく、未練がましい顔で家康を見てしまっているのだろう、と思い当たるも。
ダメと言われた所で、滲み出てくるのだからどうしようもない。



この心の内を声に出してしまえば楽になれるのだろうか、と考えるけれど、今の雰囲気にはそぐわないとも思う。



ここ最近、私が忙しくしているのと同様に、家康も忙しそうにしていた。
先程会った時から、家康も政宗も少し張り詰めたような、びりびりとした雰囲気を纏っている。
秀吉さんと、三成君もそう。



きっとこの茶会は私の想像も及ばない程、大事な催しに違いないのだ――




「…っとそうだ、秀吉さんを待たせてるんだったっ…!」



「ちょっと待った、千花」




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