【イケメン戦国】お気に召すまま【修正完了しました】
第4章 roasting
叫ぶように声を上げると、政宗が気をきかせてくれたのだろう…奥山様を促し、茶室へと足を進める。
ほっと息をつきながら、その後姿を見送り、さて私も、と足を踏み出す…
そこに息子さんも続き、そして末客の家康、私が続く筈だったが、しかし。
さっと家康が私の手を引く。
驚きの声を上げる間もなく、茶席の方ではなく準備用に建てられた天幕の中へと、身を滑り込ませた。
「い、いえやすっ…!!!?」
ぎゅ、と柱に押し付けられるように抱き締められ。
無言のまま、私の肩に埋められた表情は伺えない。
その力は強くて少し苦しい、けれど、包み込まれる体温に安堵が勝って目を閉じる。
「…なんで、抵抗しなかったの」
暫くの後、ぽつり、と降ってきた家康の声は何処か苦しげで。
そういえば、さっき私が触られていた時も相当怒っているように見えた――
「…ねぇ」
「だって、信長様のお客様だから…
失礼があっちゃダメかな、って」
「だからって、あんな事されて。
黙っている事ないだろ…それとも何、嫌じゃなかったの」