【イケメン戦国】お気に召すまま【修正完了しました】
第4章 roasting
滅相もありません、と答え、愛想笑いで返す。
するとその顔を見た奥山様がにんまりと、下品めいた笑みを浮かべたかと思うと…
脚からお尻のラインをつつ、と撫でられた。
ぞわぞわ、とまさに虫唾が走るような感覚。
やめて下さい、と言おうとするも、信長様の客人だと思い当たって口を噤む。
何とも言えない恥ずかしさと気持ち悪さに、顔も上げられない…
地面を見つめていると、ゆっくりそわそわと動き続ける手に泣きそうになる――
「奥山殿」
強い声色に、さっと奥山様の手が離れた。
おずおずと頭をあげると、いつも通り…いや、いつも以上に、冷やかな目をした家康。
「千花姫は寵姫等ではありません、縁あって織田家に身を寄せて居られるだけの事…
その様な侮辱の言葉と無礼な振る舞い、信長様に知られては事ですね」
たじたじと、私から離れ一歩下がる奥山様と、じっと睨み合う家康。
騒ぎに気付いたらしい政宗と息子さんも、こちらに踵を返し戻って来ようとしたその時。
茶席の中からちりりん、と、秀吉さんと決めていた合図の鈴の音が響いた。
今の雰囲気に似つかわしくない程、可愛らしく澄んだその音に、はっと我に返る。
「…お待たせしております、皆様、どうぞ中へお入り下さいっ…!」