【イケメン戦国】お気に召すまま【修正完了しました】
第4章 roasting
「…その、千花様…
申し上げにくいのですが…少し、不格好かと」
「うぅ…はい、三成くん」
例の軍議から、早何日。
茶会本番までは、何だかんだであと三日ほどだ…あれから毎晩、政務が終わると三成くんが稽古をつけてくれる。
いつも秀吉さんが亭主を務める時は三成くんが半東だったらしく、なかなか厳しい。
「千花様…
また誠に申し上げにくいのですが…その、座り方が…もう少し足を小さく動かすと綺麗に見えるかと…
あ、あとお皿を出される時は、指を揃えられると良いかと思います!」
三成くんなりに気を使ってオブラートに包んでくれているようだが、総するとガサツ、らしく。
微笑みながら根気強く教えてくれる三成くんに申し訳なくて、ふにゃふにゃと緩んでいきそうになる背筋をまたぴん、と張った。
「ごめんね、三成くん…お仕事終わりで疲れている所に、こんな面倒な事」
「そんな、面倒なんて滅相もございません!
初めての事ですから、誰しもこんな物です。
千花様は飲み込みが良いので、あとは見栄えを良くすれば大丈夫ですよ」
三成くんの言う通り、一通りの所作は身についた。
ただ、美しく動く、と言うのがどうも難しいらしい。
いつも、打掛を羽織っているから何となく歩いているけれど…茶会の間の衣装は小袖。
足さばきなんかが丸見えだ。
姿見を見ながらやってみても、そこらの女中さんの方が余程洗練された綺麗な動きで。
私は織田家の縁の姫です、なんてこのままじゃ口が裂けても言えない――