【イケメン戦国】お気に召すまま【修正完了しました】
第4章 roasting
「なっ、信長様…千花ですか」
「何だ猿よ、俺の采配に文句があるか」
「…信長様、失礼ながら千花では務まらないかと」
「な、何よ家康っ!秀吉さんもっ!
信長様、私がやりますっ!」
何をやるのかよく分かってないけど、と心の中で付け足す。
その心の中まで全てを読んでいる様な顔で、家康が大きなため息をついている。
「千花もこう言っている事だ…三成、茶会までに仕立ててやれ。
家康と政宗は饗される側なのだから、気楽にしておれば良い」
信長様のその言葉で、軍議はお開きになった。
信長様と光秀さんが連れ立って出ていった後、三成くんが近寄ってきて、頑張りましょうね、と言ってくれる。
政宗は大役だな、なんて笑って肩を叩いてくる…二人に笑い返してはみたものの、未だに何をするかは分かっていない。
「千花…呑気に構えているみたいだけど、半東だよ?
わかってんの?」
「あの、そのはんとう、ってのは…」
「…矢張り、知らなかったか。
半東ってのは、亭主…
今回だと秀吉さんの補佐役。客人を饗す重要な役回りなんだから、しっかり勉強しなよね」
「えっ!?そんな大切な役がどうして私にっ…」
「知らないよ、信長様に直接聞けば」
「まぁまぁ、俺もついてるんだ。
楽しくやればいいぞ、千花」
秀吉さんが、いつもの笑顔で取り成してくれるものの…あわあわと頭を抱える私を、家康が呆れたように見つめていた。