【イケメン戦国】お気に召すまま【修正完了しました】
第3章 aromatic
「もー、何処にいるのっ…!!」
その後。
無事甘味を作り終えた私は、出来上がった茶巾絞りを詰めた箱を持ち、城の中をうろうろと彷徨っていた。
秀吉さんと三成くん、光秀さんにも会って、一つずつ摘んでもらう。
秀吉さんと三成くんは手放しでその出来を褒めてくれた。
光秀さんには政宗の手を借りたか、なんて一瞬で見破られてしまったけれど…それだけ美味しかった、という事だろう。
何だか自信がついてきて、こうなったら家康にも絶対食べて欲しい、なんて意気込むも――その姿は、一向に見当たらない。
家康なら城下からもう戻って、お館様への報告も済ませていたぞ、と光秀さんも言っていた…何処かに、居るはずなのに。
広い城内を歩き回ってヘトヘトになり、水を飲もうと初めの厨に戻る。
ふと窓の外を見たその時、秋風にふわり、と攫われて靡いた金糸のような髪が目に入った。