【イケメン戦国】お気に召すまま【修正完了しました】
第2章 burn
「なんと!もしやお相手とは家康様だったのですね!」
「こら、三成!声を上げるな!」
「二人共五月蝿いぞ、聞こえてしまうだろう!」
潜めているようで、大して顰められていない聞きなれた声が聞こえてきた。
衆目、って…そういう事!?
かっと顔が赤らんだ私を見て、やっと気付いたの、なんて意地悪を言う家康は、しかし優しい表情のまま。
空いた手で、私の前髪をさらり、と掻き上げる。
何をするのだろう、とその手を目で追う――
そして、不意にゆっくりと近付いてきた家康の唇が、額に微かに触れた。
家康の手の中で、声にならない声が上がる。
それを感じたのか、家康がいつもより楽しげに目を細めて、漸く手を離した。
「な、な、な、」
「ほら、もう遅いから俺は帰るよ。
…あんたも、あの人達とお帰り」
くるり、と背を向けて歩き出した家康に、私は堪えきれず叫ぶ。
「家康はっ、嫌いな女の子にもこんな事出来るのっ!?」