【イケメン戦国】お気に召すまま【修正完了しました】
第8章 LA ROUE DE LA FORTUNE
「…簪、ごめんね」
「また新しいのを贈るから、気にしなくていい。
千花が無事ならそれでいい」
「だめだよ、あの簪がいいんだから!
明日にでも、返してもらいに行きたいの…連れてってくれる?」
「じゃあ…そうしようか」
優しげな笑みを向けてくれる家康は、私のしたい事を全て分かりきっているに違いない。
嬉しくて、抑えきれなくて、回した腕の力をほんの少し込めてみると、同じ様に家康が抱き返してくれる。
「そう言えば!体調悪かったんだよね、ごめんね!?」
「それなら…大丈夫、問題ない」
本当かな、と顔を覗き込むと、家康は少し気まずそうに笑って、赤らんだ顔を背けた。