【イケメン戦国】お気に召すまま【修正完了しました】
第7章 Folie Douce
一刻も早く駆け出したい気持ちを抑え、武者震いをする俺に、信長様がまるで試すような目を向ける。
もう間違ってはならない、と、その目を見つめ返した。
「俺に、行かせてもらえませんか」
少し口元に笑みを湛えた信長様は、何も言わず。
その目からは何も読み取れず、心折れそうになるが、しかし、と歯を食いしばる。
「俺の、覚悟は」
こちらをじっと見る、信長様をはじめ。
幾つもの瞳が、俺を、そしてその向こうの千花を心配するように窺っている。
本当にお人好しで、気の置けない人間の集まりだ。
だからこそ、此処に足りない物を、早く埋めないといけない。
もう二度と、選択を誤ったりはしない──
「俺の、覚悟は。
千花の為に、貴方達をも超えていく、という事です」
俺の言葉に、全員が目を見開き。
そして真っ先に我に返ったらしい信長様が、高らかに笑う。
「それが貴様の覚悟か、家康」
「そうです」
「なら、見届けてやろう。行くがいい」
「…有難うございます!」