【イケメン戦国】お気に召すまま【修正完了しました】
第7章 Folie Douce
「何、それは本当か光秀!」
「安土の東の山の中程に、木こりなどが使っているらしい小屋がある。
この冬場に火が焚かれているのはおかしいと…
様子を探らせて見れば案の定、という訳だ」
「矢張り拐かしだったか…
こうしちゃいられねぇ、すぐに向かうぞ!」
「…それにしても、千花様に手出しするなど、到底許せる事ではありません。
一体何処の手の者でしょうか、光秀様」
光秀さんが、三成の問いに答え口を開く。
その犯人は余りにも予想外で、自分を含む皆が言葉を失い、困惑の色がありありと見て取れる。
「中から漏れ聞こえてくる声から察するに、千花が傷付けられている様子はない。
押し入っても良いのだが、動機が分からぬ以上、下手には動けぬ。
今は周りにぐるりと手の者を配置し、様子を窺わせている所」
「出来した、光秀。して、どう打って出る」
「先程申しました通り、犯人はたったの二人、恐るるに及びません。
…が、しかし刺激をして千花に何かあっては事──こちらはなるべく少数精鋭で、向かうべきと心得ます」